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梨の栄養が凄い!?含まれる栄養素やその働き・効果を徹底解説

梨の栄養が凄い!?含まれる栄養素やその働き・効果を徹底解説
鈴木 亜子
監修者

鈴木 亜子

管理栄養士

私たちが日頃何気なく食べている梨ですが、実はとても栄養価が高く、私たちの健康維持に欠かせない栄養素がたくさん詰まっています。本記事では、梨に含まれる栄養成分やその効果について、詳しく解説していきます。 また美容への効果や、りんごとの栄養比較なども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

梨に含まれる栄養成分とその働き・効果

梨にはビタミンCやカリウムをはじめ、さまざまな栄養素が含まれています。ここでは梨に含まれる栄養成分をピックアップして解説していきます。

ビタミン・ミネラル

ビタミンCは、抗酸化作用や免疫機能の維持に重要な働きがあるほか、コラーゲンの生成に欠かせないことから美肌や傷の治癒にも貢献します。その他、血液凝固に関わるビタミンKや赤血球の形成や細胞の増殖に不可欠な葉酸、体内で起こるさまざまな化学反応をサポートする銅などが含まれています。

食物繊維

梨には食物繊維が含まれています。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ異なる働きがあります。

梨をはじめ果物に多く含まれる水溶性食物繊維の代表格がペクチンです。ペクチンは血中コレステロール値の低下作用や、おなかの調子を整え便秘の改善に役立つ効果が期待できます。

不溶性食物繊維は、便のカサを増やし腸を刺激して排便を促します。

梨には2種類の食物繊維が含まれているため、適量摂取することで健康的な生活に役立つでしょう。

カリウム

梨には、塩分(ナトリウム)の排出を促し血圧を下げる作用のあるカリウムが含まれています。

世界各国と比較して塩分摂取量の多い日本人にとって、血圧を正常に保つうえで欠かせない栄養素であるといえるでしょう。

またカリウムには利尿作用があります。余分な水分が体内に溜め込まれることで起こるむくみの予防・改善にも効果的です。

その他、カリウムは神経の興奮や伝達、筋肉収縮などに関わっています。

ソルビトール

梨には「ソルビトール」が含まれています。ソルビトールは、人工甘味料としても利用されている糖アルコールの一種です。

ソルビトールには、以下のような特徴があります。

  • 甘味はブドウ糖の60〜70%
  • カロリーはブドウ糖の7割程度
  • 血糖値を大きく上げにくい
  • むし歯になりにくい
  • 保水力が高く便を柔らかくする

また、ソルビトールは喉(のど)の保湿や炎症にも効果を発揮する成分です。梨は水分が豊富で体を潤す作用があるとされ、漢方の生薬としても用いられています。漢方として期待できる効能は、喉の乾燥や炎症のほか、口内炎や空咳(からせき)、痰などの症状改善です。

ポリフェノール

梨には、抗酸化物質「ポリフェノール」が含まれています。特に幸水や豊水などの和梨には「アルブチン」や「クロロゲン酸」などが多く含まれているとされています。

アルブチンは美白効果が期待されている成分で、肌のメラニンの生成を抑えることで知られています。一方、クロロゲン酸は強力な抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去することで細胞の損傷を防ぐ効果が期待されています。

梨と美容・デトックスの関係

梨には、コラーゲンの生成に不可欠な栄養素であり肌の弾力維持に役立つビタミンC、シミやくすみの原因となる活性酸素を除去するポリフェノールが含まれています。

また、体内の老廃物を排出する「デトックス効果」のある食物繊維やカリウム、ソルビトールも含みます。

腸内環境を整え便通を改善する食物繊維、便を柔らかくするソルビトール、利尿作用のあるカリウムが、体内の老廃物や余分な水分を尿として排出させやすくするのです。

このように、梨の食物繊維とカリウム、ソルビトールは相乗効果を発揮し、体内の老廃物を排出するデトックス効果が期待できるでしょう。

梨とりんごの栄養比較

梨とりんご、どちらが栄養価が高いのか気になったことがある方も多いのではないでしょうか。

梨とりんご100gあたりの主な栄養素の含有量は以下の通りです。

梨(日本なし) 梨(西洋なし) りんご
食物繊維 0.9g 1.9g 1.4g
ビタミンC 3mg 3mg 4mg
カリウム 140mg 140mg 120mg

食物繊維やビタミンC、カリウムの含有量に大きな差はありません。

またポリフェノールを含む点も、梨とりんごの共通点です。梨にはクロロゲン酸やアルブチン、りんごにはリンゴポリフェノール(プロシアニジン)が含まれています。

違いといえば、梨にはソルビトールが豊富に含まれていることでしょう。

梨(日本なし) 梨(西洋なし) りんご
食物繊維 1.5g 2.9g 0.7g

りんごにもソルビトールは含まれていますが、梨(日本なし)の半分程度です。

梨の1日の適切な摂取量と過剰摂取の影響

厚生労働省・農林水産省による「食事バランスガイド」では、1日に食べる果物の目安量を200g(可食部)程度としています。

梨1個の重さは平均300gほどです。これを踏まえると1日に食べる梨の目安は2/3個、多くても1個までにしておくとよいでしょう。

梨(日本なし)100gあたりのカロリーは38kcal、糖質は8.3gです。他の果物と比較しても高いほうではありませんが、食べ過ぎればカロリーオーバーを招き、肥満や生活習慣病の原因となりかねません。またソルビトールを多く含むため、食べ過ぎるとお腹が緩くなる可能性もあります。

旬の時期が限られた梨を存分に楽しみたい気持ちはあれど、食べ過ぎには注意しましょう。

まとめ

梨にはビタミンCや食物繊維、カリウムなどの栄養素のほか、ソルビトールやポリフェノールなども含まれています。

美容や整腸作用、デトックス作用などさまざまな健康的な効果を発揮します。ただし糖質も含まれているため、過剰摂取には注意が必要です。

美味しいだけではなく、栄養たっぷりの梨。適量摂取を心がけ、上手に健康に活かしましょう。

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鈴木 亜子
監修者

鈴木 亜子

管理栄養士

管理栄養士。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病どさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、健康に関わる分野の記事執筆などを行う。

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